賃貸住宅に退去する時の注意点【基本知識】
マイホームを購入するまで賃貸物件に入居していたのであれば、退去する準備に取り掛からなければなりませんが、その際のいろいろと気をつけなければいけないことがあり、下手なことをすれば深刻なトラブルに発展する恐れがあります。マイホームを購入したからと言って賃貸物件の大家や管理会社は何も言わないのにその事を知ることはなく、いつ退去する予定かもわかっていないので何も言わないままだと解約は行われないのでしっかりと通知をしておきましょう。
退去をするという通知は、電話だと言った言わないの水掛け論になる恐れがあるので、解約通知書あるいは退去届と呼ばれる書類を退去予定の1ヶ月前まで提出すればよく、書類は入居時に渡される事が多いので準備を始めたら確認が必要です。契約書と一緒に保管してあれば、必要事項を記入して提出すればいいですし、もし紛失してしまったときでもそれで退去ができないわけではなく、大家や管理会社に欲しいと言えば渡してくれるので何ら問題はないです。
そして、最も退去時に注意するべきは敷金に関する問題で、敷金は入居者が入居した時の状態に物件の状態を戻す原状回復義務を果たすための費用なのですが、基本的には何事もなければ入居者に戻す性質のお金です。ところが、大家が何かと理由をつけて工事をしてその費用に敷金を使ってしまうために入居者と揉めることになるので、全額を返金してもらうためにも契約では敷金をどのように扱うのかをよく読んで理解しておきましょう。
敷金を使うことになる原状回復というのは、入居したときの状態といってもすべてをもとに戻すということではなく、入居者が故意に傷つけたり汚したりしたわけではない、日焼けや家具をおいた跡などは対象外になります。もし、大家が原状回復の範囲を超えて建物の修繕や設備の交換をしたならば、2020年4月に改正された民法の内容に基づいて返金を求めることができるのですが、改正前に契約した賃貸物件であれば改正前の民法が適用されます。
原状回復に使われる敷金というのは不動産業界の慣習ということで改正前の民法では何も規定されておらず、法に基づく返還を求めることができませんでしたが、国交省がトラブル解決のためのガイドラインを作成していました。ガイドラインというのは強制力を持った法律ではないのですが、裁判における判断基準になるもので敷金は基本的に原状回復以外には使うべきではないということで全額の返還を求める事が可能です。マイホームを購入するとなれば、購入代金だけでなく引越し費用や税金の支払いなどで何かと出費が多く敷金が手に入れば楽になるので、全額を返還してもらうためにやるべきことを事前に調べておきましょう。

